Mamba out

昨日、コービーが事故で亡くなった。

 

私がNBAにハマったきっかけが、セルティックスとレイカーズのファイナル。

当時の私はセルティックスを応援していたので、彼は敵チームにいた。

 

正直、当時は彼が嫌いで嫌いで仕方なかった。だって彼がうますぎるから。

どんなに厳しいディフェンスをしても、どんなに彼を止めようとしても、彼は得点を重ね続けていた。

 

まだバスケを初めたばかりの私には、彼はとても自己中で傲慢な選手に見えた。

ボールをたくさん持つし、たくさんシュートを打つし、ディフェンスでも相手を挑発するようなことをたくさんする選手だと思っていた。

子供の頃の私には悪者に見えていた。

 

でも、心のどこかで憧れていた。

どんなに苦しい状況でも、個の力でそれをひっくり返す力を持っていて、

どんなにリードされていても決して諦めなくて、

追い上げムードになったと思ったら、彼にその流れを止められて、

とても美しく、力強いバスケをする選手だった。

 

気がついたら彼のシュートフォームを真似して、彼のドリブルを真似して、彼のディフェンスを真似していた。

 

いつのまにか彼に対する思いは嫌いから尊敬へと移り変わっていった。

 

そこからレブロンを好きになり、ローズを好きになり、いろいろな選手を好きになっていった。でも、必ず、誰かとNBAの話をする時はコービーの話題になった。バスケをやったことがある人で、彼に魅了されなかった人はいないんじゃないかと思うほど、彼はNBAの中心にいた。

 

彼は私が見てきた選手の中で最もプロフェッショナルだと思う。

朝3時に起きて練習を始め、1日中練習をしていたそうだ。

誰よりも上手く、誰よりも功績を重ねていたのにも関わらず。

 

彼の持つ精神はマンバメンタリティと呼ばれていた。

答えを見つけ出すための終わりなき冒険。もっと上達したいという無限の好奇心。結末にこだわらず、とにかく進み、戦うこと。誰からの評価も気にせず、その瞬間だけに神経を注ぐこと。

 

彼を尊敬しているが、正直真似できる気がしない。気がついたら気を抜いてるし、気がついたら楽をしようとしてしまう。でもそれは彼も同じだったのではないだろうか。その弱い自分を知り尽くしているからこそ、誰よりも自分に厳しく、誘惑に流されないようにしていたんじゃないかと思う。努力の天才は彼を指す言葉だと思う。

 

自分から逃げず、自分から目を離さず、常に自問自答してきたからこそ、ここまで偉大な選手になることができたんだろうな。すごいや。

 

彼が亡くなった日の朝、久々に声に出して泣いた。仕事が無くて助かった。

ニュースを見てから頭が働かない。

悲しさを紛らわすために、彼のプレー集を見ていたが、余計涙が出てきた。

そこには私の小かった頃のヒーローが躍動していて、それがとても美しくて、儚くて。

 

神様は綺麗な花から摘んでいってしまうんだってさ。

とっても自己中なんだね。もう辞めてください。

摘んだ花は元に戻して欲しい。

 

この気持ちはまだ整理がつかないけど、このやるせない気持ちをどこかに吐き出さなきゃと思って。

 

私をNBAの世界へ連れていってくれてありがとう。

感動をくれてありがとう。

理想になってくれてありがとう。

20年間もプレーしてくれてありがとう。

いつまでも立ちはだかってくれてありがとう。

 

安らかに眠ってください。

たまにNBA観戦にでもきてください。

一緒に盛り上がりましょう。

今年のNBAは面白いですよ。

 

ずっと私のヒーローです。

R.I.P Kobe Brayant.